ドラフトがどうなるのかという話


巨人?大田 志望球団以外なら進学も
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2008/10/26/20.html

なんだ、この不穏なムードは。
あれだけ力強く「12球団OK」宣言していた大田泰示
プロ志望届からこれまでの間にいったい何かあったのか?と裏を読みたくもなる。

そして、巨人と言えば。
長野久義(Honda)が既に「巨人以外なら残留」を明言している。
彼の場合は、実際に日ハムの指名を蹴った実績があるしね。
更に、甲斐拓哉(東海大三)あたりは中学生の頃から徹底マークしており、他球団は付け入る隙もない・・・なんて話も聞く。

これは仮定の話だけど。
仮に大田が本当に巨人希望(そして巨人以外なら進学)ならば、巨人は今年のドラフトで、大田・長野・甲斐という3人のドラフト1位級(それも大田と長野は本来なら多球団競合してもおかしくない逸材)を獲得する可能性が出てくる。

確かに、巨人は強いチームだ(と言い切れない部分もあるチームだったが、少なくとも今年はガチで強いチームになった)。
そして、阪神に抜かれたというのは否定しがたいとはいえ、やはり人気球団だ(そもそも、巨人と阪神というのはメディアでも他の10球団とは違う扱いをずっとされてきた歴史があるし)。
そういう意味で、魅力のある球団だというのは確かなのだろう。
あ、ここで一応宣言しておくと、僕はアンチ巨人です。東京ドームのライトスタンドでレプリカユニ着てオレンジのタオル回せとか言われたら、舌噛んで死んだほうがマシだと思うほどです。
でも、こればかりは認めなければならないだろう。
強くなるまでの過程にいろいろあったのはともかくとして、な。

ただ、ね。
本来のドラフト制度の狙いである「戦力の均衡」という部分については、崩れてしまうよね。
巨人による囲い込み(とされるケース)は、今年に限らず近年に何度も見てきた光景なのだけど。
今の状況では、「逆指名」をチラつかせれば、巨人に限らず1つの球団がドラフト1位級の選手を選手枠の許す限り何人でも確保できてしまうという状態。
更に言えば、(選手側さえ納得すれば)育成枠でいくらでも確保できてしまう。
これは果たしてどうなのか?

今年から、FA権について制度が大幅に変わった。
FA権というのは「プロで実績を残した選手に選択の自由を与える」という権利。
それが選手側の強い要望で、選手側に有利になった。
となれば、入団時の締め付け(という言い方も抵抗があるが)もあって然るべきなのではないか。

これは私案なのだけど。
社会人や海外チーム所属のドラフト対象者(あとは国内独立リーグの選手もか)のプロ志望届の提出を義務としてはどうか。
そしてその上で、「プロ志望届を提出しながら入団拒否をした選手へのペナルティ」を課す。
例えば、一定期間ドラフト対象外とするとか。高校生なら4年間、大学生なら3年間、社会人等なら2年間とか。
(これは、高卒・大卒は社会人に進んだ場合の解禁年数+1年、社会人等は翌年のドラフトでの指名禁止という意図)

・・・はい、自分で書いておいて、問題もすぐに浮かびますよ。
1.指名した球団の出した条件があまりに酷い場合でも、拒否したらペナルティなのか?
2.そんな締め付けをしたら田澤のようなメジャー流出が増えないか?
うーん。どっちも難しいなぁ。でも、絶対に出てくる話だよね。
1については、信頼できる機関を設けて調停にするくらいしか浮かばん。
2については・・・どうかな。日米球界間で協定を結ぶなりできればいいけど、現実としては難しいだろうし。

昨年の裏金騒動。
その当事者だった西武が今年優勝したあたりが何とも皮肉ではあるが、また繰り返してはならない問題なのは確か。
そうなると、李下の冠的な話は極力除外したいよね。
スポーツ界だけでなく、いろんなところでどす黒い闇が漏れてきて問題になっている今日この頃。
視聴率低下を嘆いたりどこどこの球団が優勝逃したらいくら経済効果損失だとか計算したりしてる暇があったら、そういう方面で透明性を高めることを考えてみてはどうか。